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【時視各角】サムスンとSKハイニックスはだれが守るのか

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2023.05.04 09:21
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中国が米国企業マイクロンの半導体販売を禁止する場合、中国内の半導体不足分をサムスンとSKハイニックスが埋め合わせないよう米国が韓国に要請したという英フィナンシャル・タイムズの報道があった。これは韓国と韓国企業がいつでも米中覇権競争の渦に巻き込まれる恐れがあることを示している。米国政府は同紙の報道をあえて否定しなかった。韓国企業の参戦を要求する米国の意図は明確なようだ。中国が自国企業(マイクロン)を攻撃しながら内傷は避けていく可能性を封鎖しようということだ。もしかすると米国が最も望むのはこの構想を知った中国がマイクロン制裁を断念することかもしれない。戦闘で打とうとするなら血を流さないで高地を守るものだ。

1978年に設立されたマイクロンは80年代の日米半導体戦争など海千山千を体験して生き残った勝負師だ。中国はマイクロンにとって重要な市場だ。昨年の売り上げの4分の1ほどを中国本土と香港で上げた。一部ではマイクロンが今回の作戦策定に相当な役割をしただろうとみる。マイクロンとしてはサムスンとハイニックスに依存しようとする中国の計画を折り制裁を避けられれば最善だ。制裁を受けてもライバルであるサムスンとSKハイニックスに中国市場を奪われないことが次善だ。中国がマイクロンをどのように扱うかはまだ明らかでない。だがサムスンとSKハイニックスの中国販売拡大を難しくさせたことだけでもマイクロンの策略はひとまず通用した形だ。

 
半導体を技術覇権と経済安保の核心兵器と考える米国は自国の半導体産業保護に徹底する。米国の半導体業界は苦境に立たされるたびに「米国の国益」を前面に出して政府支援を引き出した。80年代に値段が安く品質が良い日本製半導体を市場から追い出した米国の通商報復もシリコンバレーの半導体企業の死活をかけたワシントンでのロビーから始まった。約520億ドルの支援金がかかった今回の米CHIPS法も半導体大手のインテルをはじめとする米国の半導体業界が主導的役割をした。

「半導体同盟」である韓米の間には機密情報提出、中国内での半導体生産制限など補助金毒素条項と対中半導体装備輸出統制など懸案が多い。ここにフィナンシャル・タイムズが報道したサムスンとSKハイニックス動員計画まで加わった。しかし尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の米国訪問はすっきりした解決策を導出できなかった。

サムスンとSKハイニックスはこのところ最悪の業績不振に陥っている。サムスン電子の半導体事業は1-3月期に4兆6000億ウォン台の営業赤字を出した。SKハイニックスも3兆4000億ウォン台の赤字を記録した。業績は景気サイクルが回復すれば好転する。問題は韓国のメモリー半導体の絶対的優位持続の可否だ。韓国の技術超格差は狭まっており、米中の正面衝突は韓国企業の活動空間を縮小している。英週刊誌エコノミストは最近「サムスンはインテルのような自己満足を警戒しなければならない」という記事で、「サムスンはSKハイニックスとマイクロンに対するDRAMとNAND型フラッシュ製造技術の革新的優位を一定部分なくした」と診断した。

韓国の半導体産業は40年間何度も山場を超えてきた。しかし今回のように列強の覇権競争の真ん中に引き込まれたことはなかった。1980年代後半に韓国半導体の浮上を支援した米国企業は「敵(日本)の敵(韓国)は味方」という論理を前に出した(クリス・ミラー教授、『半導体戦争』)。ところがいまは米国が敵(中国)を倒すために友人(韓国)への圧迫を辞さない時代になった。ただ乗りが許されないのが同盟だ。米国はすでに日本とオランダの半導体装備企業を対中輸出統制戦線に参加させた。同盟の請求書は今後も飛んでくるだろう。米国はすでに政府と企業が一体になって半導体戦争を遂行している。サムスンとSKハイニックスをはじめとする韓国企業の実利を守る国家戦略が切実だ。

イ・サンリョル/論説委員

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