【コラム】NewJeans事態、ファンは待ってくれるだろうか
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2024.04.26 15:21
「ILLIT(アイリット)はNewJeans(ニュージーンズ)のコピーだ」。数日間、大衆文化界で最も有名になった発表文のこの一文の内容は法的には特に効力がない言葉だ。ADOR(アドア)のミン・ヒジン代表はILLITがヘアメイク、衣装、振りつけ、写真、動画、行事出演など芸能活動のすべての領域でNewJeansをコピーしていると主張した。「ミン・ヒジン風」「ミン・ヒジン流」という言葉を使ったところをみると、自身の創作「コンセプト」をコピーしたということだ。しかし、著作権法で保護される対象は「人間の思想または感情を表現した創作物」だ。具体的な結果ではなく、全般的な「イメージ」や「スタイル」では盗作の法的判断を下すのは難しい。
ファンはそれぞれ別の判断を下す可能性がある。人の心は法に合わせて動かないためだ。大衆文化産業が最もユニークさを持つのは、人間の「魅力」という商品に予測できない「ファンダム」という神秘な心の領域が対応する点だ。物的な商品とは違って大衆文化ヒットの規則や秘密が明快に明らかにならないのはこのためだ。人間の心はどこからスターの魅力を見つけ出すか分からない。ファンダムは論理的ではなく一貫性もない。予測と期待はしばしば外れる。クリシェ(使い古されたもの)が入り乱れたドラマ、スキャンダルで汚されたスター、歌唱力論争がつきまとう歌手にも魅了される理由だ。誰かの亜流あるいはコピーだといくら主張しても魅力を感じてしまったファンダムは止めることができない。